行き場失う 学校給食向け牛乳 新型肺炎で一斉休校 酪農家に打撃

2020年3月5日ニュース
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う一斉休校のため、学校給食で提供される予定だった牛乳が行き場を失っている。生産団体や乳業者は廃棄を避けるため、一般の飲用のほか、バターなど加工向けへの切り替えを模索する。ただ、加工用は飲用よりも安価なため、酪農家の経営にとっては打撃となる恐れもある。

 新潟県を含む北陸の酪農家から集めた生乳を乳業会社に販売する北陸酪農業協同組合連合会(新潟市中央区)によると、県内では生産された生乳の15%ほどが学校給食に充てられ、例年3月は約400トンに上る。政府が一斉休校を要請した先月27日以降、関係者は代わりの出荷先探しに追われる。

 塚田牛乳(新潟市江南区)は、県内の小中学校約140校に供給していたが、休校期間分が全てキャンセルとなった。仕入れた生乳はタンクにたまっている。

 塚田正幸社長(70)は「売り上げがそっくりなくなり影響は大きい。突然休校になり、余った原乳をどうするかどの業者も困っている」と頭を抱える。

 北陸酪連によると、乳牛は一定のペースで乳を搾らないと体調を崩すため、生乳の生産を急に減らすことはできない。その上生乳は鮮度が重要で、品質は数日しか保てない。

 生乳の価格は、加工用だと飲用より3割ほど安い。酪農家の収入維持のため、北陸酪連はなるべく飲用とするよう乳業会社に要請している。しかし「量が量なので全ては難しい。多くが加工用に回る可能性もある」とみる。

 県内の乳業者だけでは加工能力が限られるため、県外を含めて調整している。県外は輸送料がかかり、さらに酪農家の収入が圧迫されることになりかねない。

 北陸酪連は「政府には酪農家や乳業者に損害が出ないよう、対応してほしい」と訴えている。
2020/03/04 15:00 新潟日報モア