第四・北越銀50店閉鎖 4分の1減の大規模再編 問われる地域貢献

2019年2月12日ニュース
第四北越フィナンシャルグループ(FG)の第四銀行(新潟市中央区)と北越銀行(長岡市)は8日、2021年1月の銀行合併後に閉鎖する50店を明らかにした。FGは利用者の利便性低下や負担増に配慮し、周知を図って準備を進める方針だが、両行の店舗の計4分の1を減らす大規模再編だけに利用者や地元に与える影響は小さくない。閉鎖する店舗の多くは各地域の重要なインフラでもあり、空き店舗の活用を含めた合併効果の地域還元も求められる。

 両行によると、再編対象は近接店舗を比較し、(1)建物の広さ(2)建物の新しさ(3)立地やマーケット-などを判断基準に存続店を決定。一つの店舗に複数店を集約する「店舗内店舗」方式を採用した。同じ店名の場合、移転対象店の名称を変更して形式的に同一店舗内に存続させる。口座番号は維持する。

 FGは21年1月、基幹系システムを第四銀の日本IBM製に統一して銀行合併を行い、同年4月から3年間を掛けて店舗統廃合を順次進める予定。FGにとって店名変更や利用者への手続き周知は、スムーズにシステム統合を行う上での重要な一歩となる。

 FGは他の統廃合事例も調べ、課題を洗い出して準備を進めている。関係者は「総力を挙げて作業を行うが、大規模統廃合のため手探りの部分もある。利用者に説明し、丁寧に進める必要がある」と気を引き締める。

 現金自動預払機(ATM)の存廃や増設、駐車場の拡充などは地域事情や利用状況を見ながら判断する。平成の市町村合併前の旧市町村単位で1店のみの店舗は統廃合の対象とせず、当面存続させる。第四北越FGの店舗数は201から151に減り、他県の同規模地銀に近い数となる。

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 県外の地銀でも合併に伴う店舗統廃合は始まりつつある。都内に主な基盤を置いていた八千代銀行、東京都民銀行、新銀行東京の3行が昨年5月に合併して誕生した「きらぼし銀行」(東京)は、近隣に位置する店舗を「店舗内店舗」方式で統廃合を実施。3月までに25拠点を減らし、23年3月までに拠点数を3割削減する方針。基本的に廃止対象店のATMは残さない。

 これまで実施した統廃合では、離れた店舗への来店が必要になる場合に高齢者に不便が生じたという。きらぼし銀は「通知や周知に力を入れたが、高齢の利用者から厳しい意見を頂いた。統廃合自体が銀行の都合であり、利用者の不安や心理的負担もあるため店頭でお詫びして丁寧に説明するよう努めた」と説明する。

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 それでも統廃合を進める背景には、長期化する低金利による厳しい経営環境がある。1店舗当たりの賃料などのコストは年間数千万円。統廃合を含む店舗網の再構築を行うことで、23年3月までに計約30億円の削減効果を見込んでいる。

 きらぼし銀の島田浩一経営企画部長は「コスト縮減で合併効果を早く表す必要がある」と説明。効率化という「守り」の戦略だけでなく、顧客との接点となる店舗の新たな形や、空白地域への新規出店、機能を絞った特化型店舗を配置する「攻め」の戦略も検討しており、「地域から撤退するわけではなく、営業体制を強化して融資やサービスに力を入れる」と語る。

 一方、第四北越FGは県内での新規出店を「今のところ考えていない」と説明。空き店舗は売却するか地域のニーズを踏まえて託児所や医療施設、創業支援施設などでの活用を検討する。「各地域で引き合いが来ている」(FG幹部)というが、店舗がどこまで活用されるかは未知数だ。地域に根差した銀行として、地元との関係や旗印にしている地域貢献への姿勢が問われる。
【経済】 2019/02/09 15:00 新潟日報モア