紙幣刷新 特需を期待 ATM関連メーカー 慎重論も

2019年4月15日ニュース
2024年度の紙幣全面刷新の発表を受け、現金自動預払機(ATM)など紙幣関連の機器には更新や交換による需要が見込まれる。経済の「キャッシュレス化」が進む中だが、新潟県内の関連企業は突然訪れた「特需」の好機に注目している。一方で、刷新まで期間があり、需要が見通せないとして設備投資などに慎重な見方も多い。

 富士通フロンテック(東京)は主力の新潟工場(燕市)でATMのほか、競馬場での発券などに使われる自動発払機を製造している。

 同社によると、04年の前回刷新時には、これらの機器がけん引して全社の売上高が約2割増えたという。近年は銀行の統廃合に加え、カード決済の普及などでATMの設置台数自体が減ってきているが、同社は「今回も、現金を使う端末にとっては商機となりうる」とにらむ。

 主に見込んでいるのは、金融機関が通常7~10年周期で行うATMの交換を、紙幣刷新に合わせて前倒しする可能性だ。同社は「刷新によってどのような需要が発生するのか、今後見極めていきたい」としている。

 部品を手掛ける県内の地場企業もある。精密板金加工の池田機工(見附市)は、ATM関連部品を主力製品の一つとする。池田則正社長は「何らかの好影響があるといいが、何年も先の話でまだ分からない部分が多い」と慎重に見る。

 同社が取り扱うのは、紙幣を種類ごとに振り分けて収納するための部品の一部。メーカーから部品の設計変更がどの程度求められるか、現時点では不明な点も多い。池田社長は「情報収集を進め、対応できるようにしなければならない」と気を引き締めた。

 同じくATMの部品を製造している伊鈴製作所(燕市)は、紙幣が前回刷新された後の06年に過去最高の業績を記録したという。ATMの交換用に需要が急増したためだ。

 同社は「キャッシュレスも進んでいるが、あらためて現金の利用に関心を持ってもらえる機会になればありがたい」としている。

【経済】 2019/04/13 15:00 新潟日報モア