課題解決策をAIが仲介 南魚沼のGITパーク、入居企業とマッチング

2018年11月2日ニュース
海外のIT企業を集積する新潟県南魚沼市のグローバルIT(GIT)パークは、最先端のIT技術を持つ入居企業と、IT導入で自社の課題解決を図りたい国内企業とのマッチングに、人工知能(AI)を使ったシステムを導入する。2019年3月にも運用を始める予定で、マッチング作業の効率化と迅速化を進めて双方の企業の利用拡大を図る。

 GITパークには、IT先進国のインドやスリランカの企業8社が入居し、さらに両国やシンガポールなどの22社が参加の意向を持っているという。現在はパークを運営するアダム・イノベーションズ(東京)が日本企業に出向き、マッチング作業を行っている。

 新システムは、アダム社が企画し、GITパーク入居企業でAIに強いアイノレーション(インド)のノウハウを活用した。国内企業が人手不足や生産効率改善などの課題を登録すると、AIがGITパーク側の企業の中から選んだ複数社に、解決策の提案依頼書を送る。受け取った各企業が解決策をつくり、それにAIが順位付けして依頼企業に打ち返す仕組みだ。

 言語変換を自動的に行うほか、作業の進行状況もリアルタイムで分かる。依頼書に不明点があれば、AIが質問を返す。交渉過程や結果などのデータを蓄積し、海外を含む他社の事例もAIに学習させる。課題解決を望む国内企業側のシステム利用は無料。提案導入で合意した場合、提案企業がアダム社に手数料を支払う。

 16年のGITパーク設立以来、アダム社は県内約150社とのマッチングを試みたが、受注に至ったケースは1割ほどにとどまる。面談による従来手法では、課題を明確に把握するため何度もクライアントのもとへ通う必要があり、人も時間もかかって負担が大きい上、時機を逸して受注を逃すケースもあったという。

 利用する企業にとっては、導入交渉に入る前に大まかな提案をもらえるため、導入後の効果などの判断材料に使いやすい利点もある。海外企業とのやりとりに対するハードルを下げ、利用増加を狙う。

 GITパークは2030年に350社の入居を目標に掲げており、アダム社のカウシャル・ワウラガラ社長は「成長に伴って国内企業からの需要が増えると、マッチングに膨大な人手が必要になると見込まれるため、AIで効率化を図る」と説明。「日本で仕事があるならば、入居するという海外IT企業は少なくない。国内中小企業でも利用しやすくすることで、マッチングを加速させたい」としている。

【経済】 2018/10/31 08:30 新潟日報モア