寒くても人気 アイスの熱い冬需要 県内メーカーも取り込みに力

2018年12月28日ニュース
冬なのにアイスが売れている。暖房器具の性能や住宅の気密性の向上も相まって、近年アイスが夏向け商品から通年商品になりつつあるためだ。各アイスメーカーは冬用商品の開発に注力。新潟県内メーカーでも、相手先ブランドによる生産(OEM)の受注が増加し、クリーム系商品の販売が堅調で「熱い冬需要」の取り込みを図っている。

 氷菓「もも太郎」が代名詞のセイヒョー(新潟市北区)は、大手メーカーなどからのOEMを受託し、自社商品とともに収益の柱にしている。今夏の猛暑では、自社ブランドのかき氷商品が大幅に伸びたが、その後も冬用アイスの生産のため工場はフル稼働を続けた。

 「以前は冬に作るものがなかったが、ここ数年は冬アイスの人気が高まり、OEMの取引先や生産が増えてきている」と同社。近年の冬季の出荷量は、毎年増加が続いているという。

 ただ、自社ブランドでも県産食材を使ったアイスセットなどを販売しているものの、「かき氷製品のイメージが強く、知名度はまだ低い」と説明。「今後は自社の冬用商品を開発していきたい」とする。

 総務省の家計調査によると、1世帯当たりのアイスの支出額は、2016年度の下半期(10月~3月)が約3千円と13年度に比べ約2割増加している。上半期(4~9月)の比較では約5%増で、下半期の方が伸び率が大きい。

 日本アイスクリーム協会(東京)は「寒い時期も商品を売りたい各メーカーが、開発に力を入れてきた。アイスは夏に食べるものから、1年を通じて楽しむものに変わりつつある」とする。乳脂肪分が高く濃厚な味わいで、もなかやコーンなどを使う商品が好まれるという。

 冬はクリスマスや正月、バレンタインデーなどイベントが多いため「ハレの日需要がある」とするのは、県内スーパー最大手のアクシアルリテイリング(長岡市)。担当者は「暖かい部屋でアイスを食べるスタイルが定着してきた。ちょっとぜいたくで、価格が高めの商品が人気だ」と話す。

 16年に冷菓「ルマンドアイス」を発売したブルボン(柏崎市)。今年2月に販売網を全国に広げ、3月に投入したロイヤルミルクティー味も今月、全国展開となった。開発担当者は「冬にアイスは売れないという認識だったが、需要が底堅い。氷菓と戦う夏よりもチャンスは大きいかも」と語る。

 店頭価格200円前後と他のアイスに比べ高めだが、複数人で分けて食べる「シェア食べ」を提案して需要開拓を図るほか、売り場にポップを出してアピール強化も図る方針だ。同社は「今後も新商品の開発に力を入れ、ラインアップを拡充していく」としている。


【経済】 2018/12/26 13:21 新潟日報モア