医療機器卸2社が経営統合へ                   新潟県外大手へ対抗の一手

2019年1月16日ニュース
医療用機械器具卸の県内最大手ジェイメディカル(新潟市東区)と、2位の源川医科器械(同市中央区)が11日、経営統合で基本合意した。少子高齢化や医療費抑制など経営環境の変化を背景に業界では全国的な再編が加速。地場企業として県外大手に対抗するには経営統合が必要と両社は一致した。県内大手同士の経営統合は第四北越フィナンシャルグループの例が新しいが、今後他の業界でも環境の変化から新たな経営統合が起きる可能性もある。

 医療用機械器具卸は全国に約1050社(県内約30社)ある。地域の隅々に設置された医療機関に機器や資材を供給する業態のため、地域密着で中小規模業者が多数存在する。他業界ほど再編が進んでいないとの指摘もある。

 しかし、取り巻く環境は大きく変わっている。診療報酬改定による材料価格の引き下げ、病院経営の悪化、在宅医療への転換などによる病床数の減少もあって全国的に合併・買収(M&A)が加速。大手による地場企業の買収や県境を越えた合併といった事例が相次いでいる。

 そうした中、ともに県内医療を下支えしてきた老舗の両社は再編の波が迫っていることに危機感を抱いていた。「体力があるうちに経営統合し、地場企業としてサービスを維持する」という方向性で一致した。

   ■   ■

 関係者によると、ジェイメディカルと源川医科器械が経営統合に向けた話を具体化させたのは昨年2月。実現すれば県内シェアは約5割に高まり、医療機器卸業界では全国でもあまり例がない同一県内の大手同士の再編となる。公正取引委員会による企業結合審査も必要になるため、慎重に協議を重ねてきたという。

 両社は県内全域にサービス網を張り巡らし、地域の医療機関を機器・物品の供給などを通じて下支えしてきた。いわば医療機関をサポートするインフラとしての機能がある。

 ただ、単独でコスト構造を変えていくのは難しかった。医療機関の多様な要望に迅速に応えるには多くの商品在庫を抱えねばならない。加えて山間部や離島を含む県内では、配送や営業にも費用がかさむ。経営統合すれば効率化が見込める。両社幹部は「新潟の事情に詳しい強みを生かし、医療機関や患者へのサービスに力を注ぎたい」と強調する。

   ■   ■

 両社の選択は、県内地銀最大手の第四銀行(新潟市中央区)と2番手の北越銀行(長岡市)による経営統合の経緯と重なる部分が多い。両地銀の場合、多数の金融機関と競合する中で人口減少やマイナス金利政策による低金利、IT企業など異業種からの参入が引き金となった。

 県内関係者は「激変する環境の変化に対応していくための経営統合という意味では、第四銀と北越銀のケースと似ている。県外資本に飲み込まれないよう県内同士で経営基盤を強化し、資本や経営判断を維持したいということだろう」と読み解く。

 広い県土に人口が分散し、中小企業による地域密着型のサービスが各地で維持されてきた本県。今後、人口減少による市場縮小や人手不足など、さまざまな経営環境の変化から、他の業界でも県内大手同士による再編が起こる可能性もある。

<ジェイメディカル> 1953年設立。本社のほか営業所を長岡、上越、佐渡の県内3市、山形、群馬、埼玉、東京、千葉の各都県に構える。2019年1月現在の従業員数は337人。18年6月期の売上高は261億円。

<源川医科器械> 1963年設立。本社をはじめ、長岡、上越、佐渡の県内3市に営業所、出張所があり、秋田と山形両県にも複数の拠点を持つ。2019年1月現在の従業員数は313人。18年5月期の売上高は214億円。


【経済】 2019/01/15 新潟日報モア